さくらのクラウドにWEBクライアントから構成してみる

1.はじめに

 

初めましての方は、はじめまして!
知っている方は、こんにちは。223nと申します。

普段はsacloudの各種ツールをWindows向けにchocolateyで配信しています。

 

この記事は、さくらインターネット Advent Calendar 2017の3日目です。
前日の記事は、@yamamoto-febcさんによる、「さくらのクラウド + Go言語 + Dockerでお手軽Slack Bot」でした。

 

 

2.今回やってみること

 

今回の記事では、さくらのクラウド上にWEBクライアントを使って
作業環境を構成してみたいと思います。
下図は、Sandbox上で構築した完成イメージ図です。

 

SakuraCloud-Map

大雑把に説明すると、以下のとおりです。

まず、vpc1は、VPCルータです。外部からはVPCルータを使って内部のスイッチに接続する予定です。
LocalSwitchは、外部に接続していないプライベートな空間にあるスイッチです。
次に、KL01にはKali Linuxをインストールします。
TG01は、実験体のUbuntuです。

今回、色々と試行錯誤を重ねながらやっています。
そのため、これから始める方 と 未来の自分に向けて
やってみた手順を説明していきたいと思います。
3.準備しよう

今回準備したものは、下記のとおりです。

1)「さくらのクラウド」のアカウント(https://cloud.sakura.ad.jp/

2)「Kali Linux」のISO Image (https://www.kali.org/downloads/)

3)Win SCP(https://winscp.net/eng/index.php

4)TeraTerm(https://ttssh2.osdn.jp/index.html.ja

※Win SCPやTeraTermは、Chocolateyでインストールすれば楽だと思います。

4.ISOイメージをアップしよう

今回は、Kali LinuxのISOイメージをアップしておいて、
そこからインストールをしたいと思います。
左側のメニューから、「ストレージ」→「ISOイメージ」をクリックします。
次に、右上の「追加」をクリックします。

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今回、用意したISOイメージは、サイズが大体2.68GBですので、5GBで十分に足りそうです。
必要事項を入力して「作成」をクリックします。

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作成が完了すると、FTPSで接続するための情報が表示されます。
この情報は忘れずにメモしておきます。

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WinSCPで接続します。
先ほどのホスト名、ユーザ名、パスワードとポート番号を設定します。
暗号化には「明示的なTLS/SSL暗号化」を設定すれば接続できると思います。

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ISOファイルをアップロードします。
アップロードは、バイナリで転送していきます。

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ファイルのアップロードが完了したら、「FTPを完了」をクリックします。
これで、サーバのインストールにISOイメージを使用することができるようになります。

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5.スイッチを作ろう

外部のネットワークとは別に、ローカルのみのネットワークを作るため
スイッチを作成します。
完成イメージ図で表すと、この部分を作ります。

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左のメニューから、「ネットワーク」→「スイッチ」をクリックします。
次に、右上の「追加」をクリックします。

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今回、外部のネットワークに接続する必要はありませんでしたので、
「ルータ」は「いいえ」を設定します。
必要事項を入力して、「作成」をクリックします。

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無事にスイッチが作成されるのですが、完了メッセージを閉じても
作成画面は残ったままになります。
続けて作成できるようにするためだと思われます。
キャンセルして閉じてしまいましょう。

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一覧に戻ると、無事に作成されました。

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マップを見ると、確かにLocalSwitchが出来上がっています。

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6.VPCルータを作ろう

外部のネットワークから、ローカルのネットワークに接続するために
VPCルータを作成します。
完成イメージでは、ここの部分を作ります。

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左のメニューから、「アプライアンス」→「VPCルータ」をクリックします。
次に、右上の「追加」をクリックします。

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VPCルータは、3種類のプランから選択できます。
今回は、スタンダードを選択します。
必須項目を入力して「作成」をクリックします。

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VPCルータもスイッチと同じように作成後も一覧に戻りませんので、
作成後は、「キャンセル」をクリックします。

また、VPCルータは、実際に利用可能になるまでに時間がかかります。
有効状態が「コピー中」から「利用可能」に変化するまでコーヒーブレイクでもしましょう。

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有効状態が「利用可能」になったら、ダブルクリックで詳細を表示します。
上のタブから「インターフェース」をクリックします。

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プライベート1とスイッチを接続したいと思います。
プライベート1の鉛筆ボタンをクリックします。
接続先のスイッチに、先ほど作成したスイッチを選択します。
IPアドレス、プリフィックスを入力したら、「更新」をクリックします。

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一覧に戻ると、「設定を反映するには、上部の反映ボタンを押下してください。」と
表示されていますので、「反映」をクリックします。

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この状態でマップを開くと、画像のようになっていると思います。

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次に、VPN接続用のアカウントを作成します。
上のタブから、「リモートアクセス」→「アカウント管理」をクリックします。
右下の「追加」をクリックします。

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「ユーザ名」と「パスワード」を入力して「追加」をクリックすると、追加されます。
ここでも、最後に右上の「反映」を忘れずにクリックしましょう。

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次に、「L2TP/IPsecサーバ」を有効にします。
上のタブから「リモートアクセス」→「L2TP/IPsecサーバ」をクリックします。
右下にある編集をクリックします。

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有効にチェックをすると、動的割り当ての開始・終了と事前共有鍵を入力します。
最後に「更新」をクリックして「反映」も忘れずにクリックしましょう。

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※注意点
VPCルータの設定では、最初にインターフェースでスイッチに接続しておきます。
接続しておかないと、IPアドレスの割当てを設定する際などにエラーが発生します。

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7.サーバを作ろう(1)

次に、サーバを作りたいと思います。
まずは、Ubuntuを簡単に作りたいと思います。
完成イメージ図で表すと、この部分です。

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左のメニューから、「サーバ」をクリックします。
次に、メッセージで強調されている「追加」をクリックします。

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さくらのクラウドでは、シンプルモードと通常モード(?)があります。
今回はシンプルモードでUbuntuのサーバを作成しました。

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一番下に料金が表示されているので、問題がなければ「作成」をクリックします。

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完成すると、スイッチに接続されたサーバを確認することができます。

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8.サーバを作ろう(2)

次に、最初に作成したISOイメージからサーバを作りたいと思います。
完成イメージ図で表すと、以下のとおりです。

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先ほどと同じように左のメニューから、「サーバ」をクリックして「追加」をクリックします。
今回はシンプルモードでは作成できませんので、「シンプルモード」のチェックを外します。
設定内容は下図のとおりです。

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料金は左下に表示されています。
右下の「作成」をクリックすると、作成が始まります。

完了した後、作成したサーバの詳細から、「コンソール」を開くと
設定したISOイメージが読み込まれてインストーラが起動しています。
このまま、インストールを行いましょう。

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これで、完成イメージ図と同じになりました!

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9.VPNで接続しよう(Windows 10)

自宅のPCから、VPCルータを経由してVPN接続を試みます。
ここでは、Windows 10で用意されている機能で接続したいと思います。

右下の通知アイコン(?)をクリックしてウィンドウを開き、下にある「VPN」をクリックします。

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「VPN接続を追加する」をクリックします。

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あとは、画面に従って必要事項を入力します。
VPNの種類は、「事前共有キーを使ったL2TP/IPsec」です。
最後に「保存」をクリックすると、保存されます。

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あとは、作成したVPN接続をクリックして「接続」をクリックします。

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おや、失敗してしまいました。
どうやらWindows 10側で、もう少し設定が必要なようです。

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今回は、以下のサイトのやり方を参照しました。
Refs. Windows10設定マニュアルL2TP編

まずはじめに、右の「関連設定」から「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。

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先ほど作成したVPN接続があるので、右クリックして「プロパティ」をクリックします。

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上のタブから「セキュリティ」をクリックします。
「認証」
の「次のプロトコルを許可する」にチェックを入れます。
「チャレンジ ハンドシェイク認証プロトコル (CHAP)」と
「Microsoft CHAP Version 2 (MS-CHAP v2)」にチェックを入れます。

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次に、上のタブから「ネットワーク」をクリックします。
「インターネット プロトコル バージョン6(TCP/IPv6)」の
チェックを外します。
あとは、「OK」をクリックして再接続を試みます。

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これで、接続できるはずですが、もし「パスワードが違います」などの
メッセージが表示される場合、さくらのクラウド側のパスワードを再設定した後、
「詳細オプション」→「編集」からパスワードを設定しなおすといいと思います。

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10.サーバに接続しよう

ここまで来れば、あとはローカル環境と同じように接続するだけです。
Ubuntuのサーバ(TG01)に接続してみます。
IPアドレスは、192.168.0.3で接続することができます。

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これで、構築が完了です!

11.最後に

いかがだったでしょうか。

いつもは、グローバルに公開されているサーバ(実験体)を単体で構築しているだけでしたので、
VPCサーバや、スイッチ、ISOイメージからのサーバインストールなどを初めて触ったのですが、
個人的には、とても分かりやすかったと思います。

もし、触っていて分かりにくい点や使いにくい点などがある場合には、
さくらのユーザーフィードバックβに投稿することをおススメします。